東京五輪の見どころポジションSB。
その宝庫はブラジルかフランスか (4ページ目)
ただ、若くしてフィジカル的アドバンテージによって目立つSBは、その後に苦労することもしばしばだ。
「SBは結局、クレバーな選手が生き残る。周りとの連係で守って、局面を優位にし、その優位を攻撃につなげられるか。力技ばかりが目立つと、結果的に戦術面の弱点をさらすことになる」
これは名門アスレティック・ビルバオの育成指導者の言葉だが、SB論として的を射ている。経験を糧にできるかも大事になる。その点は、他の守備的なポジションの選手同様と言える。
一方で、少しでもスピードが衰えると、血気盛んなアタッカーに後れを取って、粗が目立つことになる。その点、必ずしも熟練さは役に立たず、フィリップ・ラームのように早く見切りをつける(33歳で引退)選手も少なくない。パオロ・マルディーニ、カルレス・プジョル、セルヒオ・ラモスは、20代でセンターバックにコンバートされた。実はデリケートなポジションだ。
日本は、内田篤人(鹿島アントラーズ)、酒井宏樹(マルセイユ)という世界的なSBを輩出してきた。
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