デ・ブライネは現代的プレーメーカー。過去の名手にはない特徴とは
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サッカースターの技術・戦術解剖
第5回 ケビン・デ・ブライネ
<独特で現代的なプレーメーカー>
絵画にはあまり詳しくないが、自然の風景を写実的に描いた絵と、何が描いてあるのか理解に苦しむような前衛的な絵を、同じ基準で見ることはできるのだろうか。具象画と抽象画のどちらが優れているというのではなく、それぞれの評価があるのだと思う。
マンチェスター・シティの得点機に多大な貢献をするプレーメーカー、デ・ブライネ サッカーではプレーメーカーの芸術性について語られることがある。ただ、ボビー・チャールトン(イングランド)の1960年代と、トニ・クロース(ドイツ)の2010年代にそんなに大きな違いがあるわけではなく、ほぼ同じ尺度で見て構わない範疇にある。
50年前と現在でサッカーが同じでないのも明白だが、プレーメーカーに関してはそこまで大きな違いがないように感じる。ゲームのテンポは速くなっているが、プレーメーカーのボールの受け方、捌き方、何を、どこを見ているか......そうしたことに大きな変化はなく、ほぼ同じ基準が適用できる。
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