デル・ピエロの驚愕のシュートは「世代交代のシグナル」だった (7ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO


 そんなデル・ピエロにようやく女神が微笑んだのは、2006年ドイツ・ワールドカップだった。この大会でもトッティが絶対的な存在で、デル・ピエロはサブの位置づけだったが、途中出場で流れを変えるスーパーサブの役目を果たす。まるで1998年のバッジョのように。

 ハイライトは準決勝のドイツ戦だ。0−0のまま延長にもつれこむと、ファビオ・グロッソのゴールに続き、デル・ピエロが復活を印象づけるダメ押しゴールを決めるのだ。勢いに乗った"アズーリ"は決勝でPK戦の末にフランスを下し、4度目の世界王者に輝いた。

 2011−12シーズン限りでユーベを退団したデル・ピエロは、オーストラリアのシドニーFC、インドのデリー・ディナモスでプレーし、2015年6月に現役を退いた。

 そんなスーパースターと遭遇したのは、2014年ブラジル・ワールドカップ、サンパウロのメディアセンターだった。シドニーFCを退団したばかりのデル・ピエロは、イタリアのテレビ局の解説者としてブラジルにやって来ていたのだ。

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