デル・ピエロの驚愕のシュートは「世代交代のシグナル」だった

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

欧州スター選手列伝
極私的バロンドール(3)
アレッサンドロ・デル・ピエロ(1994−95)

 何年かに一度、唖然とさせられるゴールに出会うことがある。

 いや、超ロングシュートとか、何人抜きのゴールとかではなく、え、こんなところから狙うんだ、しかも、それで決めちゃうんだ、という類(たぐい)のゴールだ。

デル・ピエロはユベントスで1993年から2012年までプレーしたデル・ピエロはユベントスで1993年から2012年までプレーした 古くは1988年の欧州選手権の決勝で、オランダのマルコ・ファン・バステンがソビエト連邦相手に決めた鋭角のスーパーボレー。

 そして、セリエAで生まれたこのゴールにも、テレビの前で唸らされた。

 1994年12月4日、ユベントスvs.フィオレンティーナ戦----。

 残り15分の時点ではフィオレンティーナが2−0とリードしていた。しかし、ユーベが立て続けにゴールを奪ってゲームを振り出しに戻す。

 そして両チーム、痛み分けかと思われた87分、伝説のゴールが生まれる。

 左サイドのセンターライン付近からアレッサンドロ・オルランドが放ったロングフィードが、ペナルティエリアの中に落ちてくる。

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