菅原由勢「お試し」のち5年契約。欧州で順応する秘訣を本人に聞く (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO


 試合前から想定していたアヤックスのイメージと、実際の試合でプレーするイメージを、菅原はタッチライン際ですり合わせていたのだ。

「(アヤックスは)最終ラインを1対1にするぐらいリスクをかけていた。だからAZがボールを取った時、"一瞬のスプリント"を2、3人で同時にすれば、一気に2対4や2対3の数的優位を作れると思っていました。アヤックスの切り替えは速いようで、ただ短い距離を動いているだけ。そんなに速く感じなかったです」

 華麗なビルドアップと鮮やかなフィニッシュに付け加えて、AZは味方がアヤックスの選手に絡まれると一目散に駆け寄り、アヤックスとの揉み合いでも数的優位を作っていた。

「僕たちはピッチに立ったら、売られたケンカは買うチーム。それもひとつの意思表示で大事なことだと思っている。なので、僕もケンカを売られたら買ってやろうかなと思っています(笑)。

 ひとりじゃなく、チームとしてどんな状況でも戦うコンセプトがある。口論になった時も、乱闘気味になった時も、みんなで行く。僕らはそれが好物なので。だからこそ、アヤックスにも『かかってこいや』のメンタルでやれる。毎日すごい刺激をもらっています」

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