バルサの黄金時代を築いた男。グアルディオラは何をもたらしたのか (5ページ目)
「今日もまた回されるのか」
対戦チームはいつしか試合前から腰が引け、厭戦気分を漂わせるようになった。
グアルディオラは、バルサが苦手としていたイタリアのサッカーをとことん研究していた。キャリア晩年にブレシアで選手として身体で学び取り、その守備戦術を攻撃用に改良。前線での守備とショートカウンターにつなげた。それによって、クライフ時代の脆さが消え、"強すぎて"可愛げもなくなったほどだ。相手に「打つ手がない」という絶望感を与え、戦う前から勝利していた。
しかしそんな時代は長く続かない。グアルディオラが去ったあとのバルサは、緩やかな角度で道から逸れていった。
(つづく)
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