低迷していたバイエルンを立て直した新監督。譲れない点が2つある

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 新型コロナウイルスの影響で、ブンデスリーガは中断しているが、2020年に入って、ドイツ王者のバイエルンは完全に調子を取り戻した。

ブンデスリーガ中断前まで、絶好調だったバイエルンブンデスリーガ中断前まで、絶好調だったバイエルン リーグ中断前の3月8日の第25節、アウクスブルクに2-0で勝利した時点で、17勝4分2敗の勝ち点55で首位。2位のドルトムントとは勝ち点4差、3位のライプツィヒとは勝ち点5差をつけて首位に立っている。

 昨年11月の第10節、フランクフルトの敵地で1-5の大敗を喫し、ニコ・コバチ前監督が辞任した時点で、5勝3分2敗の勝ち点18の4位タイに沈んでいた頃を考えると、雲泥の差と言える。

 アシスタントコーチから昇格したハンス=ディーター・フリック監督は、バイエルンにボールを持って主導権を握り、積極果敢に攻撃的なプレッシングを仕掛ける"魅力的なサッカー"を取り戻して首脳陣を納得させた。

 CEOを務めるカール・ハインツ・ルンメニゲも、ロンドンでのチャンピオンズリーグ(CL)のチェルシー戦で快勝を収めたあとに「バイエルンでは、このペンで契約書をサインすることもある」と高級ブランドのペンをフリックの誕生日プレゼントとして贈った。この様子は、ドイツ国内のスポーツニュースにも流れ、契約延長のシグナルとして報じられた。

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