久保建英がゴールで最高評価の輝き。カウンターから見せた大胆さと知性 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 0-1とリードしたことで、後半のマジョルカは守る時間がさらに増えた。失点の予感は漂ったが、顔面ブロックなどでどうにか防ぐ。一丸となって守る中、リズムも生まれ、カウンターから決定機をいくつか作った。

 冒頭に記した久保の得点は、その流れから生まれている。守りに入っても、出撃する意思を失わなかった結果だろう。"息の根を止める"という精神が、勝利につながったのだ。
久保は仕事を終え、81分にキ・ソンヨンと交代でベンチに下がった。アディショナルタイム、エイバルにCKから1点を返されるが、勝負は決していた。

 スペイン大手スポーツ紙『アス』は、この試合で久保に0~3の4段階評価で、最高の3を与えている。「久保はプレーセンスを示した」と称賛。3は出場全選手中、ひとりだけだった。

 敵地でマジョルカは3ポイントを獲得した。順位は降格圏内の18位のままだが、17位のセルタとは1ポイント差に縮めている。16位のエイバルとの差も2で、1試合でひっくり返る状況だ。

 次節は本拠地ソン・モイスにバルセロナを迎え、連勝を狙う。

 久保は"古巣"を相手に、その真価を見せつけられるか。1部残留に向けて、マジョルカの祈りを背負った戦いになる。

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