バルサに見る4-3-3の長所と短所。
模範となるべきシステムなのか (3ページ目)
「ボールを持っている限り、失点しない」
そう言って弱気を叱咤したのが、バルサの始祖とも言えるヨハン・クライフだった。攻撃は最大の防御なり。常に攻め続ける気概が、プレーモデルの土台にある。
ただし必然的に、それを可能にする傑出した人材が欠かせない。
前線の選手は、相手をノックアウトできる得点力が必須になる。特に両サイドのアタッカーは"逆足"で中に入って点が取れるか、あるいはファーで待ち受け、打ち抜けるか。たとえばリバプールは昨シーズン、モハメド・サラー、サディオ・マネがどちらも22得点を挙げた。バルサのメッシはシーズントータルで、50得点以上を記録している。システム上、1トップに近くなるため、サイドアタッカーの重要性が増すのだ。
インサイドハーフの存在も、重要度が高い。バルサはシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタという稀代のボールプレーヤー2人が退団すると、パスサッカーが急速に衰退した。一時、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)が評判となったが、実状は3トップ任せのカウンターだった。キケ・セティエン監督になって、フレンキー・デ・ヨング、アルトゥール、イヴァン・ラキティッチがその役割を託され、改善が見られる。
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