板倉滉の心は折れない。「使ってくれ」と監督にしっかり自己主張 (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO


 だけど、やるだけ。嫌でもサッカーしか集中できない環境なので、家に帰ってリフレッシュすることもなく、やっぱりサッカーのことを考えちゃう。やるしかないと言い聞かせて」

 板倉はエレガントなタイプのセンターバックだ。だが、身を挺して相手を止めるスライディングタックルが、とくにサポーターを喜ばせている。

 板倉はフローニンゲンで個人チャントを持つ数少ない選手である。前節スパルタ戦の40分過ぎ、左サイドバックのジャンゴ・ヴァーメルダムが負傷して倒れ込むと、板倉が慌ててウォーミングアップをしてピッチに入った。この時、サポーターから板倉へ温かく大きなチャントが贈られた。

「アップの時からやってくれたので、うれしいですよ。これだけ試合に出られてなかったので、『自分のことはもう、忘れられているんじゃないかな』と思っていた。その分、もっと試合に出て自分を見せていかないといけない。もっとがんばろうと思いました」

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