19歳の怪物ハーランドが見せた
底知れぬ才能。大型FWの概念を覆す (4ページ目)
少なくとも、この2ゴールによって格上PSGから金星をもぎ取ったという事実は、彼の市場価値をより高めたことだろう。
もっとも、新戦力ハーランドの実力と、ホームにおける相手チームの強さを一番恐れていたのは、かつて2シーズンにわたってドルトムントの指揮を執ったPSGの指揮官トーマス・トゥヘルだった。
それを証明するかのように、トゥヘルは相手の布陣に合わせて、最終ラインに3人のCB(プレスネル・キンペンベ、チアゴ・シウバ、マルキーニョス)を並べた3−4−2−1を選択。直近2試合のディジョン戦(フランスカップ)とアミアン戦(リーグ戦)で試していた布陣ゆえ、その伏線はあったわけだが、結果的にその選択がチーム全体に消極的な姿勢を生み出す引き金になったことは間違いない。
しかも、約2カ月間にわたってブラッシュアップさせた攻撃的な4−4−2を温存したばかりか、エディンソン・カバーニとマウロ・イカルディというワールドクラスのストライカーふたりをピッチに送り出さないまま試合を終えた。いくらリスクを犯しにくい試合展開だったとはいえ、批判を浴びるに値する保守的な采配だったと言える。
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