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19歳の怪物ハーランドが見せた
底知れぬ才能。大型FWの概念を覆す (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO


 そのハーランドがこの大一番で決めたふたつのゴールも、その規格外ぶりを象徴するかのようなセンセーショナルなものだった。

 まず、試合の均衡を破った一発目は、それまで攻撃が手詰まり状態だったPSGがアンヘル・ディ・マリア、キリアン・エムバペ、ネイマールの3人で作った、この試合初めてのチャンスを逃した直後の69分のこと。

 同じく冬に加入した新戦力エムレ・ジャンの縦パスを受けたハーランドは、ダイレクトで前を向くジェイドン・サンチョにボールを預けると、そのままゴール前へ進入。サンチョから右サイドのアクラフ・ハキミにボールが渡る間に、タイミングを計りながらニアサイドに走り込んでPSGのマルキーニョスとチアゴ・シウバのふたりを引き連れることで、自分の背後にスペースを空けてハキミのマイナスのクロスを誘った。

 そこに走り込んだラファエル・ゲレイロが放ったシュートは、シュートブロックに入ったマルキーニョスの足に当たってボールがわずかに弾む。その瞬間、ハーランドが素早く反応して右足でゴールネットを揺らしたのである。

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