欧州サッカーは格差がさらに拡大。加速するビッグクラブの成長 (5ページ目)
倉敷 実力差はほとんどないでしょう。あと少し選手層が厚くなれば来季はいけるかな? と期待できます。今季はラウタロ・マルティネスがすばらしい才能を開花させ、ロメル・ルカクという決定的なアタッカーで勝負したわけですが、思ったほど得点が取れませんでした。それと失点の多さですね。9失点はインテルのチームカラーを考えれば多すぎるでしょう。コンテはセンターバックを中心に時間をかけて整備したいはずですが、今回は守備のバランスを崩して攻めなければバルサやドルトムントには太刀打ちできなかった。そこに敗退の原因があった気がします。
中山 振り返ると、初戦のホームでのスラビア・プラハ戦で1-1のドローを演じてしまったことが最後に響きましたね。それと、勝てば勝ち抜ける可能性を残していた最終節のバルサ戦で、ステファノ・センシやアントニオ・カンドレーヴァを欠いていたことも影響したと思います。ただ、今季のインテルは秋口あたりからゴールを決めきれずに勝ち点を落とす傾向があったので、バイオリズム的な部分でも負ける要素はあったのかもしれません。
それと、個人的にはコンテのサッカーの場合は両ウイングバックがキーマンだと思っていて、その点では左のクワドォー・アサモアの故障離脱も誤算のひとつになりました。今季はラウタロとルカクの2トップのコンビネーションでもゴールを決められるようになっているだけに、ここで負けてしまったのは残念ですね。シーズン後半戦になれば、もっと安定した強さを見せられる気がします。
小澤 最近の傾向として、グループステージの日程がビッグクラブに有利に組まれているような気がしませんか? たとえばインテルのグループで言うと、バルサの初戦の相手はドルトムントで、最後がインテル戦です。少し前までは、有力チームの対戦は3~4節に組まれているケースが多かったと思いますが、最近は最初と最後に組まれています。
このパターンだと、仮にビッグクラブがスタートで躓いても、2節から5節までの格下との対戦で挽回しやすくなります。今季だと、初戦でパリに負けたレアル・マドリード(スペイン)などはその恩恵にあずかった印象があります。
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