欧州サッカーは格差がさらに拡大。加速するビッグクラブの成長 (4ページ目)

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倉敷 そうなってくると、CLを見る楽しみは新しい戦術の進化を見ることや野心を持った監督の登場あたりに絞られそうですね。負けてしまいましたが、アヤックスのエリック・テン・ハーグ監督が見せた、9人になってからの戦い方はとても面白かったです(4節チェルシー/イングランド戦)。バルセロナでもない、バイエルン(ドイツ)でもない、一体どのクラブの系譜を継ぐ指導者なのかな、と思いながら見ていました。

 個人的にはジョゼ・モウリーニョがそうだったように、自身のプロモーション力に長けた監督に大暴れしてほしいと期待しています。ポルトの時代から売り出したモウリーニョは追いかけて見るのが面白かった。今季はスパーズ(トッテナム/イングランド)の監督になりましたから、CLでもまた彼らしい話題を提供してくれるに違いありません。

小澤 そうですね。それと、もうひとつ最近の傾向だと、優勝候補に挙がるようなビッグクラブのサッカーが、守備の強度も高くてカウンターも狙えるスタイルに進化していることも、中小クラブが勝てなくなっている原因のひとつだと感じます。リバプール(イングランド)、バイエルン、ユベントス、マンチェスター・シティ(イングランド)、パリ・サンジェルマン(フランス)などは、格下がやるような堅守速攻型のカウンターもできてしまいます。

 逆に、それで勝っていたディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリード(スペイン)などは、そこで違いを生み出せなくなってしまい、グループステージではユーベ相手に手も足も出ないような完敗を喫してしまいました。そのほか、ドイツ勢ではドルトムントやレバークーゼンなどは監督がボールを握るサッカーを好むため、同じような現象で苦戦していた印象です。

倉敷 バルサとドルトムントと同じグループだったインテル(イタリア)の敗退にも触れておきたいですね。アントニオ・コンテという類稀な能力を持つ監督が就任し、国内リーグでも開幕から入場者数が激増していた。人気も注目度も高かっただけに、ここでの敗退にはフロントもがっくり肩を落としているでしょう。

中山 最終節で1.5軍のバルサに負けてしまったことが誤算でしたね。ただ、実力的には2位ドルトムントとの差は感じませんでした。

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