2020.01.08

欧州サッカーは格差がさらに拡大。
加速するビッグクラブの成長

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.75

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富な達人3人が語り合います。今回は、今季のチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ総括を行ないます。

チャンピオンズリーグはベスト16が出そろい、2月から決勝トーナメントが行なわれる――今季のCLは、2月18日から再開するラウンド16の対戦カードが決定しました。そこで今回は、お三方に注目カードのプレビューをお願いしたいと思います。まずはその前段階として、日本人選手の活躍を含めた今季のグループステージを総括していただけますか?

<グループステージは5大リーグクラブの
ラウンド16独占という結果に>

倉敷 ラウンド16に勝ち上がったのは、イングランド勢とスペイン勢が4チーム、イタリア勢とドイツ勢が3チームずつ、そしてフランス勢が2チームですから、現在のフォーマットになって初めて5大リーグのクラブが独占したわけです。極めて順当な結果といえそうですね。

中山 昨季はアヤックス(オランダ)とポルト(ポルトガル)、一昨季はポルト、バーゼル(スイス)、シャフタール(ウクライナ)、ベシクタシュ(トルコ)などが16強入りしていたことを考えると、年々地域格差が広がってきた印象です。とくに近年はイングランド勢が完全復活して、今季と昨季は4チームが、一昨季は5チームも勝ち残っています。今季の場合は大方の予想どおりの展開で、敗退した有力チームはアヤックスとインテルの2チームくらいでしょう。

倉敷 アヤックスは10ポイントも獲得したのに(笑)。昨季はホームで抜群の強さを誇っていたのに、今季はホームで2敗。これが痛かったですね。このチームは決定力がないので、たくさんチャンスをつくってそのうちのいくつかを決める必要があるわけですが、ダヴィド・ネレスとドゥシャン・タディッチがノーゴールに終わったことも敗因のひとつでしょう。

 ゴール前の最終的な仕事ばかりでなく、最終的に状況を見極める選手にも欠けました。たとえばラセ・シェーネ(ジェノア/イタリア)であり、フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ/スペイン)であり、マタイス・デ・リフト(ユベントス/イタリア)ですね。キャプテンに相応しい3選手を移籍で手放した今季は、経験値で言えば昨季よりマイナスだったかもしれません。

 小澤さんは今季のグループステージをどのように見ていますか?