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板倉滉は監督に「なぜ?」と聞きに行った。
初の先発落ちに納得いかず (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO



「自分を高めていきたいというなか、ベンチに下げられた。悔しいというより、今は『なにくそ』という気持ちが強いですね。やっぱり(自身のパフォーマンスが)よくても、こうやって外されることがあるんだなと感じています」

 しかし、デン・ハーグ戦でゼーファイクが退場したことにより、次節のエメン戦ではテ・ウィーリクが右サイドに回り、板倉とサミール・メミセビッチがCBコンビを組むことになる。前節のユトレヒト戦で板倉とメミセビッチは、一緒に守備の中央を固めて息の合ったプレーを見せていた。

 板倉がオランダに来てから、もうすぐ1年が経つ。最初の半シーズンは、まったく出場機会がなかった。3週間前のRKC戦後、板倉は不遇の半年間をこう振り返っていた。

「半年間、試合に出られなかったとしても、練習はとにかく必死にやっていました。自分が出ないとわかっていた分、試合前日にも筋トレができた。今、自信を持って言えるのは、それは無駄にはなってない。もちろん、試合に出たいという気持ちが強かった半年でもあった。このままでは終わりたくないと思った半年でもあった」

 だからこそ、板倉はデン・ハーグ戦の先発落ちに悔しさをにじませつつも、「自分がやるべきことにフォーカスするだけ」と気持ちを切り替えている。

「『試合に出られてない時にしっかりやる』ということが自分にとって大事。その成果がこうやって開幕から出ていることにつながっているので、とにかくやり続ける。

 来年はオリンピックもあるし、日本代表の試合もある。『どうやって自分が成り上がっていくか』しか考えてないので、一日一日を無駄にせず、大切にやっていきたい」

 バイス監督に「100%、滉を一番手に使いたい」と言わせてみせる----。その思いを胸に、板倉はスタジアムを去っていった。

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