2019.12.18

板倉滉は監督に「なぜ?」と聞きに行った。
初の先発落ちに納得いかず

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 今から3週間ほど前のことだった。

 オランダ全国紙の記者が「今週は『ジャパニーズ・ウイーク』だな」と声をかけてきた。中村敬斗(トゥウェンテ)はアヤックス相手にカーブのかかった美しいミドルシュートでネットを揺らし、菅原由勢(AZ)はVVVフェンロ相手に値千金の決勝ゴールを決めていた。

板倉滉は今季開幕から全試合フル出場していたのだが...... 私は「中村と菅原がいいゴールを決めたよね」と答えた。すると、彼はニヤリと笑って「板倉滉(フローニンゲン)のスライディングタックルもすばらしかった」と付け加えた。

 濃霧のなかで行なわれたフォルトゥナ・シッタルト戦(11月30日)。試合には敗れてしまったものの、2度ほど相手ボールを奪った板倉の正確なスライディングタックルは、その記者にとってゴールと同等の価値のあるものだったという。

 今季の板倉はすでに4枚のイエローカードをもらっており、出場停止処分にリーチがかかっている。しかも開幕から4試合で、実に3枚も警告を受けていた。

 今季4枚目のイエローカードを受けたのは、10月4日のRKCワールワイク戦(3−0でフローニンゲンの勝利)だった。2−0でリードしていた71分、板倉が中盤に上がってボールホルダーに対して激しくアプローチし、最後に背後からスライディングタックルしたところ、相手の足を刈るような形になってしまった。

「イエローもらったのはいいことではないし、反省しないといけない点だと自分でも思っています。しかし、ああいう勝負どころの意識は、オランダに来て変わったところ。日本だったら絶対にあそこでスライディングしないと思う。

 球際や1対1のところで負けたくないという思いから、ああいうプレーをしてしまった。よくはないんですが、その気持ちは悪くないと思う。行くところ・行かないところを、これから修正しないといけないと思っています」

 その反省はしっかり生かされ、あれほどイエローカードの多かった板倉は、ここ8試合まったく警告を受けてない。オランダ人記者が感嘆したフォルトゥナ戦のスライディングタックルは、その最中に披露したものだった。先週のユトレヒト戦(0−1でフローニンゲンが敗北)でテレビの中継アナウンサーは、「板倉は今季の驚きです」と実況していた。