検索

シメオネ監督も太鼓判を押す
ジョアン・フェリックスが学ぶべきことは (2ページ目)

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 アトレティコ・マドリードへの移籍が決まった時、この年齢で外国のクラブに適応するのは難しいのではないかと多くの者が思った。ところが、母親のカルラはそう考えていなかった。

「15歳から親元を離れてセイシャル(ベンフィカの合宿所がある街)で生活してきた息子ですから、マドリードへ移るのもまったく問題ないでしょう。彼はこのようなことにすでに準備ができているのです」

 それでも、アトレティコに移ったばかりのころはメディアの扱いも大きく、必然的にジョアンへの重圧はとても大きなものとなった。入団してからの1週間で、ジョアンの名前が書かれた7番のユニフォームは、70万ユーロ(約8400万円)以上の売上を記録している。このこともジョアンに対する期待の大きさを表わしていたし、ジョアンの肩には責任が重くのしかかったのではないだろうか。

 だがジョアンは、すぐにその重圧を跳ね返すような活躍を始めた。プレシーズンにはクリスティアーノ・ロナウドがいるユベントスと試合を行ない、ジョアンが2得点を決めて、2-1でアトレティコの勝利に貢献。アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督も試合後にジョアンを褒めた。

「彼はとてもいい試合をした。能力の高さを示し、そしてとても早く適応してきている。彼はどこでプレーしようと、ビジョンが優れている。彼はまだ適応の時期にあるが、彼は学ぼうとする姿勢があるから、きっと早くチームに適応するにちがいない」

 8月17日、スペインリーグ開幕前日の記者会見においてシメオネ監督はジョアンについても話している。

「ジョアンに対しては、これまでと同じ扱いを続けていく。彼は聞く耳を持っているし、学びたいと思っている。彼はとくに組織プレーに関して、チームとしての仕事を学んでいく必要があるだろう」

 さらに次のように話した。

「彼が重荷を背負うことに対して私は心配していない。私は重要な選手のひとりとして彼を扱うつもりだし、チームにとって最高の彼を引き出したいと思っている」

 開幕戦となったヘタフェ戦にジョアンは先発出場し、66分間、ピッチに立った。試合後のシメオネ監督の評価は高かった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る