2019.12.10

堂安律がプロ初のヘディングゴール!
解任危機の監督を救う

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 フォルトゥナ戦(12月7日)を前に、PSVは公式戦8試合で1勝5敗2分と不振を極めていた。しかも、ユトレヒトに0−3、AZに0−4、LASKリンツ(オーストリア)に1−4、スポルティング・リスボン(ポルトガル)に0−4と、目を覆いたくなるような大敗が重なっていた。

フォルトゥナ戦で今季3ゴール目を決めた堂安律 自ずとチームの雰囲気も悪くなる。前節、エメンと1−1で引き分けた試合では、堂安律がうまくスペースを作ってシュートを打ったが、ドニエル・マレンが「なんで俺に出さないんだ」と激昂。試合後、堂安はチームメイトに慰められていた。

 レフェリーに文句を言う、相手チームの選手にボールを強く投げつける、レイトタックルを食らわす、ファウルした相手選手を取り囲む......。こうした苛立ちの度が、エメン戦のPSVは度を越していた。

「見てもらったらわかるとおり、かなりひどい雰囲気です。『なにがどうなってるんだ』『なにがおかしいんだ』と思いながらやっています。みんな、できることをやろうと練習で試行錯誤していますが、PSVは30代に近い選手がCBのふたりしかいない若いチーム。フローニンゲンより若い気がしています。

 それをどう乗り越えられるか、自分も含めていい時期にしたい。だけど、結果を残せないと続けて使ってもらえるかわからない世界なので、しっかりチームとして機能できるようにやっていきたいです」(エメン戦後の堂安)

 マルク・ファン・ボメル監督にとって、フォルトゥナ戦は「PSVが勝たなければ解任」というプレッシャーのかかった試合になった。エメン戦からフォルトゥナ戦にかけての1週間、堂安によると「トレーニングの雰囲気は"いい意味"で悪かった」のだと言う。

「みんなが思ったことを伝えるし、ちょっと喧嘩になるような雰囲気もあった。いい意味で悪い雰囲気というか、ギシギシした雰囲気でみんなバチバチしていた。監督がずっと吠えているような雰囲気のなかで紅白戦をしました」(フォルトゥナ戦後の堂安)