シメオネ監督も太鼓判を押す
ジョアン・フェリックスが学ぶべきことは

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 ベンフィカの育成組織で、ポルトガルサッカー界の数々の記録を作ってきたジョアン・フェリックス。昨シーズン(2018-19年)のスタートから、ベンフィカのトップチームに登録された。

アトレティコでの1シーズン目をプレーするジョアン・フェリックス。彼の未来にかかる期待は大きい photo by Getty Imagesアトレティコでの1シーズン目をプレーするジョアン・フェリックス。彼の未来にかかる期待は大きい photo by Getty Images 1部リーグデビューとなったのが、第2節ボアヴィスタ戦。残り2分からの出場だった。

 そして第3節で早くも1部リーグ初得点を記録する。しかもその記念すべき試合は、スポルティング相手にホームで行なわれたリスボンダービーだった。0-1とリードされる中、ジョアンは71分から出場。そして86分にチームを敗戦から救う貴重な同点ゴールを決めた。

 続く第4節は途中出場。第5節のアヴェス戦では初の先発出場。期待に応えて34分に先制点を決めている。華々しいデビューを飾りながらもルイ・ヴィトーリア監督のジョアンに対する起用は慎重だった。その後も控えや途中出場にとどめた。

 しかし19年1月3日、ベンフィカの監督がブルーノ・ラージに代わると、流れは変わった。ラージ監督は初采配となる第16節のリオ・アヴェ戦に、ジョアン・フェリックスを先発起用した。ジョアンも監督の期待に応えて2得点の活躍を見せた。

 ラージ監督は先発メンバーに抜擢したことに対して「この若者にすべてを賭けようじゃないか」と思ったのだという。ラージ監督はベンフィカBの監督を務めていた時もあったので、ジョアンのことを誰よりもよく知っていたのだ。

 ラージ監督はそれから最終節まで、ジョアンをずっと先発として起用している。2018-19年シーズン、ジョアンはポルトガルリーグ26試合に出場、15得点と活躍を見せ、ベンフィカのリーグ優勝に貢献した。

 華々しい活躍により、当然ながら、ヨーロッパのビッグクラブの関心を集めることになる。しかし、まさか19歳の若者に対して、クリスティアーノ・ロナウドを上回るポルトガルサッカー史上最高の移籍金(1億2600万ユーロ/約152億円)が支払われることになるとは誰も思っていなかった。

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