ネイマールもほしい?ラ・マシア組減少のバルサの未来を担うのは誰か
8月4日、バルセロナはベティスに所属するDFジュニオル・フィルポを、移籍金1800万ユーロ(約22億円)で獲得したことを発表した。22歳の新鋭フィルポは左サイドバックで、「ジョルディ・アルバの後継者」として期待される。技術やスピードは欧州トップクラスのポテンシャルで、攻撃的サッカーにも適応する選手と言えるだろう。
新シーズンに向け、バルサは活発にマーケットで動いてきた。アトレティコ・マドリードのフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンを移籍金1億2000万ユーロ(約144億円)、アヤックスのオランダ代表MFフレンキー・デ・ヨングを移籍金7500万ユーロ(約90億円)、バレンシアのブラジル代表GKネトを移籍金2600万ユーロ(約31億円)で獲得。3人とも各国代表の主力で、実績、実力ともに申し分ない。
バルサはさらに、ブラジル代表FWネイマール(パリ・サンジェルマン)の復帰交渉も進めている。移籍金は250億円程度と言われている。その布石なのか、同じポジションのブラジル代表フィリペ・コウチーニョのトッテナム・ホットスパー移籍話も浮上している。
有力選手の補強は、チーム強化に直結する。しかし、それはバルサの進むべき道なのか。
ナポリ戦では新加入のアントワーヌ・グリーズマンやジュニオル・フィルポが先発した 2011-12シーズン、ティト・ビラノバ監督に率いられたバルサは、アウェーでレバンテを0-4で下している。特筆すべきは、11人全員が下部組織であるラ・マシア出身者だった点だろう。それはトップレベルで戦うクラブとしては、考えられない出来事だった。
「バルサのアイデンティティはラ・マシアにある」
かつてバルサを率いたヨハン・クライフはそう言って、ラ・マシアの拡充に着手。ジョゼップ・グアルディオラを引き上げ、「ドリームチーム」と言われる時代を作った。やがて、そのグアルディオラが監督となって伝統を継承。カルレス・プジョル、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシ、ジェラール・ピケ、ビクトル・バルデス、セルヒオ・ブスケッツというラ・マシア組を中心に、伝説的チームを作った。
しかしいま、その流れが途切れつつある。
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