2019.08.08

岡崎慎司はスペイン人好みのFWだ。
マラガで早くも見せた「適応力」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Quality Sport Images/AFLO

マジョルカとのプレシーズンマッチに出場した岡崎慎司(マラガ) 2019-20シーズン、マラガに移籍してスペイン2部リーグに挑む日本代表FW岡崎慎司(33歳)は、成功をつかむことができるのか?

 岡崎のプレークオリティの高さは傑出している。ボールを受ける動き、スペースを作る動き、そのタイミングは絶妙だ。ポジション的な戦術センスにあふれたプレーで得点を生み出せる。

 スペインのサッカー関係者に好まれるFWとも言えるだろう。清水エスパルス所属時代から目をつけていたスカウトもいたほど、その評価は高かった。たとえばレアル・ソシエダの強化部長などを務めたミケル・エチャリは、2009年から日本代表の試合をスカウティングし、「岡崎はゴール前のポジション取りが天才的。敵、味方、ボールと瞬時に計算し、最適解を出せる。とりわけ、ダイアゴナルに走る感覚は百点満点」と絶賛していた。

 岡崎は世界最高峰プレミアリーグで、レスター・シティを優勝に導いている。その実績は伊達ではない。スペイン2部では屈指と言えるだろう。

 成功=1部昇格。そのロジックで考えれば、十分に可能性はある。

 マラガは昨シーズン、3位だった。惜しくもプレーオフで敗れ去ったが、戦力は2部で頭ひとつ抜けている。そもそも数年前まで1部で上位を争い、2012-13シーズンにはチャンピオンズリーグでベスト8に躍進したチームである。

 心配なのは、カタールの王族、アル・タニ会長が牛耳るチームの経営面だろうか。選手の給料未払いなど、ファイナンシャルフェアプレーの面で問題を指摘され、有力選手を売却せざるを得ない状況だ。岡崎との契約が先延ばしになったのも、そんな事情があった。

 クラブはフェデリコ・リッカをブルージュ(ベルギー)、ホニー・ロドリゲスをラツィオ(イタリア)へ放出。ベネズエラ代表のロベルト・ロサレスを100万ユーロ(約1億2000万円)で1部レガネスへ売却し、年俸100万ユーロも浮かせた。他にも、セネガル、セルビア、アルゼンチン、アルジェリアの選手を”口減らし”のためローンする方向で交渉を続けている。さらに昨シーズン、エースとして頭角を現した21歳の攻撃的MFハビエル・オンティベロスも1部ビジャレアルへの移籍が秒読み段階だ。移籍金は750万ユーロ(約9億円)と言われている。