ネイマールもほしい?ラ・マシア組減少の
バルサの未来を担うのは誰か (2ページ目)
近年のバルサは、有力選手を買い求め、即効的な強化を図っている。GKテア・シュテーゲンやFWルイス・スアレスのように主力として定着した選手はいるし、そのおかげでタイトルを勝ち取ってきた。ただ、大枚を叩いて、ほぼ稼働せずに去る選手も少なくない。
もちろん、獲得選手の成功・失敗は当然あるだろう。危惧すべきはラ・マシア組の活躍の場が奪われていることだ。
たとえばバルサは先日、昨年の夏に4100万ユーロ(約49億円)で手に入れたブラジル人FWマウコムを、たった1年でゼニト・サンクトペテルブルクに4000万ユーロ(約48億円)で売り払っている。移籍金だけを見れば損失はないように見えるが、年俸は約7億円。リーグ戦の先発出場6試合の選手に、それだけのお金をつぎ込み、同時にラ・マシア組の出場機会を奪ったのだ。
単なるバックアッパーなら、ヴィッセル神戸戦で2点を奪ったカルレス・ペレスやU―17スペイン代表で歴代最多得点の記録を持つ大器、アベル・ルイス、日本ツアーでも先発に名を連ねた左利きの新鋭アレックス・コジャードでもことは足りたはずだ。
冒頭に記したフィルポが、好選手であることは間違いない。しかし2016年夏、移籍金1650万ユーロ(約20億円)で獲得したフランス代表の左サイドバック、リュカ・ディニュ(エバートン)は、ポジションをつかみ切れず、わずか2年で退団している。
バルサはプレーに独特のオートマチズムがあるだけに、外から来た選手が適応するのは簡単ではない。むしろ、その独自性こそバルサがバルサたる所以で、そこにラ・マシア組の存在価値があったのだ。
ところが、ラ・マシア組は隅に追いやられている。21歳の左サイドバック、マルク・ククレジャは昨シーズン、エイバルでレギュラーをつかんで買い戻されるも、今度はヘタフェに期限付きで移籍させられた。また、バルサBでプレーし、オファーが殺到している19歳のフアン・ミランダも、現時点でトップ昇格の可能性は低い。
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