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伊東純也がゲンク移籍で驚いたこと。
「練習は長く1回1回がきつい」 (4ページ目)

  • 菊池康平●文・写真 text&photo by Kikuchi kohei

 ゲンクでは2日に1回くらい、チームメンバー全員でジムに行って筋トレの練習があるという。グラウンドもゆるい上に、当たりも激しいリーグなので筋力が日本にいた時以上に必要となるだろう。さらに普通の練習も日本に比べて負荷をかけられているという。

「これまでに味わったことがないくらい1回1回の練習はきついです。結構走るし、練習時間が長い。日本だったら1~1.5時間で終わりますが、ここではシーズン中でも2時間はみっちりやります。試合前の練習では普通に紅白戦をして負荷をかけるんです。慣れたら自然と強くなると思います」

 1回1回の練習後に疲労感はあるが、毎日ハードな練習に励んでいると差が出てくる期待感がある。

「でも、疲労があって休みたい日もありますけどね」

 チームメイトにはガーナ、デンマーク、クロアチア、スペイン、コロンビアなど多国籍の選手がいる。

「いろんなタイプの選手とプレー出来るし、足が驚くほど長かったり、間合いなどの違う外国人と日々練習できるのは大きいです。ドリブルもこっちのグラウンドはゆるくてしにくいんですよ。あとは味方からのパスも日本に比べるとかなり適当なんです。こっちがしっかりボールを止めないといけません」

体感したことのないフィジカル能力を活かして挑んで来るディフェンダーとの対峙、ボールを運びにくいグラウンド、適当なパスへの対応のすべてに成長が見込める。

「チャンスを作ることは得意なんで、アシストや得点という形にしたい。結局そこで評価されるので。なるべく早く慣れて落ち着いてやりたい。この前(シャルルロワ戦)もビッグチャンスがあったんです。いい時は落ち着いて決められるので、ゴール前でもう少し落ち着きたい。

 Jリーグでも落ち着いているときは得点もアシストも出来ていたので、ひとつ余裕があれば。慣れていない分、少し焦ってしまうし、早く結果を出したい想いもあるので、チャンスが来たら力んじゃうんです。まあ、すべて慣れだと思います」

 この日に伊東が発した言葉で一番多かったのが『結果を出したい』という言葉だった。

 そして、取材から数日後。伊東は3月17日のリーグ戦(対ズルテ・ワレヘム)で初ゴールを決め、3月30日のプレーオフ(対アンデルレヒト)でも得点を決めた。さらに、4月14日のクラブ・ブリュージュ戦ではアシストを記録。現在、ゲンクはプレーオフ1で首位に立っている。

 先発に定着し、国内での評価も徐々に高まってきている。慣れていくにともなって余裕が出てきたのだろう。ベルギーに順応してきた伊東純也に期待せずにはいられない。

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