フランクフルトの中心にいる長谷部誠は「また新しい経験をしている」
フランクフルトがベンフィカを下し、ヨーロッパリーグ(EL)準決勝進出を決めた。
アウェーでの第1戦は、退場者を出したこともあり、4-2で敗れていた。だが、チームも長谷部誠も勝負を捨てていなかった。「退場者を出して運が悪かった。11対11ならやれる」と、ホームでの第2戦に望みをつないでいた。第1戦のアウェーゴールがあるため、第2戦は2-0、もしくは3-1で勝てばいい。そしてそれは可能だと、第1戦を終えた時点で手応えをつかんでいたという。
ベンフィカ戦後、大観衆に向かって手を振る長谷部誠(フランクフルト) 勝利を信じるチームと同様に、スタジアムもいつもと違う雰囲気だった。試合開始90分前、中央駅からスタジアムに向かうトラムは空いていた。ファンたちはもっと早くスタジアムに詰め掛けていたのだ。
スタジアムでは記者席にまで、応援用の旗と、ウルトラスからの「演出へのご協力のお願い」という紙が貼られていた。4万8000人の観衆で埋まったコメルツバンクアレーナは壮観だった。ブンデスリーガでは満員になることが珍しいスタジアムは、一体感が生まれ、特別な空気に包まれた。
試合は、アウェーで4失点をくらったのが嘘のように、フランクフルトが主導権を握り続けた。1点目はポストの跳ね返りをフィリップ・コスティッチが押し込み、2点目はセバスティアン・ローデがペナルティエリアの少し外から、ディフェンダー2人の間を縫うようなシュートを決めた。
長谷部は言う。
「2-0でも3-1でも勝ち抜けるということだったので、とにかく点を取ることはすごく大事だと思っていたのですが、ゲームプランとしてはそこまでリスクを背負ってやれという形ではなくて、しっかり規律、戦術を保ってやれば、2点は取れるというのがありました」
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