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苦悩する岡崎慎司と武藤嘉紀が情報交換。
「上を目指すのが楽しい」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 イングランドのような場所で戦うのは、本当に強い精神力が必要。武藤はそれを持っている。チーム内で競争もあるし、(自分のよさを生かせる)ポジションがないなかでも戦っていかないといけない。そういう意味では、厳しい道がお互い待っているなあと思います」

 岡崎をして、プレミアは「個の力がバケモノみたいな選手が多い」と言わしめるリーグである。そんな厳しい環境で4シーズンにわたり戦ってきた岡崎の言葉に、武藤は「重み」を感じたという。

「(レスターの一員として)彼はプレミアを制覇している。しかも、ずっとスタメンで出続けて制覇している。彼ほど経験のある選手はいないですし、やっぱり言葉のひとつひとつに重みを感じました。もっともっと彼から吸収して、FWとしていいプレーヤーにならないといけないなと、あらためて思いました」

 たとえば、他国に移籍してリーグのレベルを落とし、出場機会を得る選択肢もあるだろう。ただ、岡崎も武藤も、あえて茨(いばら)の道を選んだ。

 岡崎は「サッカー選手なら上を目指すのが楽しい」と語り、武藤も「自分の成長につながる」と語気を強める。プレミアリーグで成功したいという気持ちと覚悟は、岡崎も武藤も一緒だ。

 そのふたりが、プレミアという大きな壁を前にして苦しんでいる。しかし、彼らが直面している苦悩や葛藤は、日本サッカーに立ちはだかる世界の壁と同義であることを忘れてならない。

 いかに、この壁を乗り越えていくか。ふたりの挑戦はまだまだ続く。

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