苦悩する岡崎慎司と武藤嘉紀が情報交換。「上を目指すのが楽しい」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 レスター・シティ対ニューカッスル・ユナイテッドのプレミアリーグ第34節が行なわれ、岡崎慎司と武藤嘉紀の日本人対決に注目が集まった。

 しかし、両者はベンチスタート。試合の前半、ふたりはウォームアップの際に肩を叩き合い、互いの健闘を誓った。後半にもタッチライン際でしばし会話を交わしていたが、最後まで出番は訪れず、ともにベンチで試合終了のホイッスルを聞いた。

武藤嘉紀と岡崎慎司の日本人ダービーは実現しなかった武藤嘉紀と岡崎慎司の日本人ダービーは実現しなかった ケガや国際大会参加など特別な理由を除けば、武藤の出場機会がなかったのは国内リーグで13試合。一方の岡崎も11試合である。両者とも、ベンチ要員という厳しい状況に置かれている。

 今シーズン限りでクラブとの契約が切れるプレミア在籍4年目の岡崎と、プレミア挑戦1年目の武藤。それぞれの状況は異なるが、世界最高峰の舞台と謳われるプレミアリーグで、もがき苦しんでいる境遇は一緒だ。

 そんなふたりが試合後、クールダウンを終えた後にも言葉を交わし、岡崎からアドバイスを受けたと、武藤は明かす。

「『プレミアの難しさ』や『どうすればいいか』など、岡崎選手から助言をもらいました。レスターは1トップで、自分のクラブも1トップを採用している。(お互いに)自分のできるポジションが限られている。そういうときに、どういう考えを持ってやるか。途中から試合に出て何をするのか。器用貧乏にならないようにしなきゃいけないとか、そういう話をしました。

 でも、イングランドで1年間通して出続けられなかったというのは、自分に足りないものがあったと思わないといけない。プレミアから逃げたくない。可能性がある限り......構想外にならない限りは、どうにかして結果につなげていかなくてはいけないのかなと思います」

 今年2月に就任したブレンダン・ロジャース監督の下、レスターの基本フォーメーションは4−3−3になった。CFを務めるのは不動のエース、ジェイミー・バーディー。加えて、チームは世代交代を図っており、4月16日で33歳になる岡崎はトップ下やサイドFWの控えに甘んじている。

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