苦悩する岡崎慎司と武藤嘉紀が情報交換。「上を目指すのが楽しい」 (2ページ目)
一方のニューカッスルは、堅守速攻型の3−4−2−1。クロスボールとカウンターを攻撃の軸とし、最前線の1トップには186cm・89kgの大型FWサロモン・ロンドンが収まる。シーズン前半戦は、このロンドンと武藤の「2トップ」を基本布陣にしていたが、チームの成績が振るわないことから守備に重きを置いた1トップに移行した。その結果、武藤は先発から外れるようになった。つまり、ふたりとも自分の特性を最も生かせるポジションがチームにない状況だ。
かといって、欧州やアフリカの選手に比べてフィジカルや身体能力で劣る日本人選手が、プレミアで1トップを務めるのは極めて難しい。実際、バーディーには「スピード」、ロンドンには「高さと強さ」という絶対的な個の力がある。
それゆえ、岡崎も武藤も、これまで彼らの周囲でプレーする「2トップの一角」としてプレーしてきた。岡崎は献身性や優れたゴール嗅覚でチームを支え、武藤もロンドンの周囲を素早く動き回ることでチーム戦術に幅を持たせてきた。
しかし、チームが1トップに移行したことで出場機会が激減した。こうした状況に陥っても、いかに自身の存在価値を引き上げ、出場機会につなげていくか。岡崎は、FWとしてプレミアで生き抜いていく難しさを語る。
「武藤も悔しい思いをしていると思う。ただ、このイングランドで成功したいという思いは強い。それだけの覚悟と意志はあるなと。
みんなが思っているように、『試合に出なければ意味がない』ということは、選手なら誰もが思っている。その葛藤はこれからも続いていくと思う。
ただ、がんばっている人には(浮上の)きっかけが訪れるはず。そのチャンスを掴んでほしいと感じました。僕も同じ境遇にあって、自分のハマるポジションがないという意味では同じです。そのなかでやっていくのはなかなか難しい。
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