クラブW杯に出る南米王者が決まらない...バス襲撃でメガクラシコ延期 (2ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Reuters/AFLO

 両者は1913年以来、公式戦で247回対戦し、結果はボカの88勝78分け81敗と拮抗。これがファンを熱狂させる要因にもなっている。歴史あるクラシコでも、クラブ間に経済力などの差が生じ、それがそのまま試合結果に反映されて色あせてしまうことも多い。しかしボカとリーベルは常に輝きを失わず、毎回トップクラブのプライドをかけて死闘を繰り広げる。これが、海外のサッカーファンの心までも魅了する。

 クラブチームの大会として南米でもっとも価値のあるコパ・リベルタドーレスでも、両者は24回対戦し、ボカの10勝7分け7敗となっている。ただ、今年が59回目となるこの大会で、決勝戦がスーペルクラシコになったことはない。つまり、「史上初」の「歴史的な一戦」ということになったのだ。

 さらに来年から、決勝戦は欧州チャンピオンズリーグと同じように定められた開催地での一発勝負になる。今回は最後のホーム&アウェー戦ということもあり、マスコミは「スーペル」を上回る「メガクラシコ」や「メガフィナル(メガファイナル)」と名づけて、連日トップニュースで両クラブの模様を報じていた。

 準決勝のカードがボカ対パルメイラス、リーベル対グレミオとなった段階で、決勝戦がスーペルクラシコになる可能性が生まれた。誰もがそれを観たいと思うはずだが、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は、「決勝はスーペルクラシコにならないほうがいい」と不可解なコメントを出した。

 マクリはボカの元会長だ。その経験から、「スーペルクラシコは、国内リーグの対戦であっても、選手とクラブに異常なプレッシャーを与える。それがコパ・リベルタドーレスの決勝となれば、プレッシャーは何倍にもなる。負けたクラブは立ち直るのに30年かかるだろう」と語った。敗者のダメージがあまりにも大きいので、夢の対戦は実現しないほうがいいというのだ。

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