メッシ、スアレス頼みのバルセロナ。CL2連勝でも磐石にあらず (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 両者のマッチレース状態は今後も続くのか。レアル・マドリードに比べて旗色が悪いバルサの巻き返しは成るのか。シーズンはじめのいま占うべきは、レアル・マドリードの4連覇なるかより、バルサの行方だろう。

 CLグループリーグ第1週は、PSVとのホーム戦だった。スコアは4-0。しかしながら内容はスコアほどではなかった。PSVにツキがなかった試合だ。それ以上に強敵と思われる2週目の相手、トッテナム・ホットスパー(スパーズ)とのアウェー戦を見る必要性を感じさせた。

 そもそもの話になるが、なぜバルサは昨季、ネイマールをパリ・サンジェルマン(PSG)に放出してしまったのだろうか。攻撃のスケールは単純に、彼がいなくなった分だけダウンした。代わりに獲得したフィリペ・コウチーニョはその域には達していない。

 昨季、ネイマールと入れ替わるように就任したエルネスト・バルベルデ監督のサッカーも魅力的とは言い難かった。3FWというバルサの伝統的な攻撃的スタイルを追求せず、4-4-2という特別感のない布陣を採用。手堅いサッカーで国内リーグを制したものの、長い間、築き上げてきたカリスマ性は低下した。CLで3連覇を達成したレアル・マドリードとの差は、大きく開くことになった。

 PSV戦には、メッシ、スアレスに加え、フランス代表の若手、ウスマン・デンベレを右に置く4-3-3で臨んだバルベルデ監督だったが、スパーズ戦はデンベレではなくコウチーニョを左に置く4-3-3と4-4-2の中間的な布陣だった。あいかわらず、ネイマールとの違いを想起せざるを得ない中途半端なプレーに終始したコウチーニョに対し、光るプレーを見せたのが、インサイドハーフに起用されたアルトゥールだった。

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