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井手口陽介、得点を決めたのに低評価。
ドイツでの飛躍に何が必要? (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 これまで日本代表でも、そのボール奪取の読みと確実さにはお墨付きが与えられていた。さらに、ゴール前に上がって放つ強烈なミドルシュートも忘れられない。2017年8月31日、W杯最終予選オーストラリア戦で日本の2点目を決めたのは、まさに井手口の目の覚めるようなミドルシュートだった。

 そんな姿をまだフュルトで見ることはできていない。欧州で定位置を獲得するのは並大抵のことではない。監督の指示に従い、味方を助けながらも、どこかで自分の主張を受け入れられる形でアピールし、チームメイトを納得させていかなくてはならない。

 長谷部誠は「耐えて、耐えて、耐えるだけでなく、一歩前に進めるかどうか」が成功の鍵だと語っていた。香川真司は「チームのひとりとしてチームに戦うという気持ちはある意味で捨てていかないと、(ドルトムントで)ポジションは取れないと思う」と言う。ポジションの違う選手たちの言うことだが、今の井手口に当てはまる言葉のような気がする。

 井手口はフュルトで「グッチー」と呼ばれている。ドイツ人にとって「イデグチ」も「ヨウスケ」も発音しづらく、口にしやすい呼び名たどり着いたようだ。ニックネームを獲得し、ここではチームメイトにも馴染んでいけそうだ。

 試合出場を重ねるなかで、自分の"色"をどう出していくか。今後の活躍はその一点にかかっている。

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