オシムも称賛。謙虚さとハードワークのクロアチアに学ぶべきこと (6ページ目)

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中山 今回、クロアチアは2試合連続PK戦で勝利していますよね。なかなかPK戦を2つ連続で勝つことは難しいと思うのですが、そのなかでスバシッチの活躍を見逃すことはできません。もちろん試合中のプレーについてもクオリティも高くて、こういう選手がゴール前にいるという点は、優勝するようなチームには必ず必要な要素になりますが、そういう意味では準優勝したクロアチアにも、しっかりと存在したということですね。

倉敷 小澤さん、ゴールキーパーの質、強さが、トーナメントを勝ち上がっていくうえでは重要なことは、僕らの代表もあらためて感じた今大会だったと思います。世界に通用するゴールキーパーを持つ、という点で、小澤さんは現状をどのように見ていますか?

小澤 間違いなく今大会もいいGKがいて、きちんとシュートストップできるGKがいるチームが勝ち上がっていたと思います。今回、事前にはそれほど期待されていなかったイングランドのジョーダン・ピックフォードも含めて、やはりいいGKがいるチームが堅守かつ安定感があり、それによって勝ち上がれるということはサッカーの原理原則のひとつだと思います。

 だからこそ、日本は川島永嗣選手ひとりを批判するのではなく、日本のこれまでのGKの育成に対する重要度があまりにも低すぎたというところから反省するべきでしょうね。それが、現在の日本のGKの選手層につながっていると思います。

 そのためには、コーチをきちんと養成できるシステムであったり、指導者養成のコースをきちんと整備することだったり、そういったことを一度検証する必要があるでしょう。そういう意味でいうと、まずサイズが重要になると思うので、ある程度育成の最初の段階からきちんと見極めて、そういう選手に技術や戦術的な指導をきめ細かくしていくことが重要だと感じています。

 ジュニア年代で背が高いからといって、何となくGKとしてプレーさせるのではなく、その選手の骨年齢を測りながら将来を見据えて緻密にやっていくチームがJリーグでも出てきましたけど、そういうことを日本全体でやっていく必要はあると思います。

倉敷 オシムさんが「GKというポジションは戦術に変化を与えられる最後のポジションだ」という指摘をしていますが、ベルギー戦でティボ・クルトワにやられたことに象徴されるような、知的な部分もGKには求められますね。

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