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未来が明るいフランス代表。W杯王者の強さを徹底分析した (2ページ目)

  • photo by JMPA

倉敷 フランスの守備について、小澤さんにも伺おうと思います。小澤さんはフランスの守備についてどんな印象でご覧になっていたでしょうか?

小澤 まずは前提として、スペースと時間を相手に与えないというところと、きちんと3ラインを整えることを徹底できていました。押し込まれて危険な時間帯は、オリヴィエ・ジルー、アントワーヌ・グリーズマンも自陣のボックスに入るぐらいのところまで引いて守っていましたので、守備の意識、それからラインの設定というところは、デシャン監督がうまく落とし込んでいたという印象を持っています。

 それと、やはり今大会のフランスで僕自身がもっとも印象に残ったのは両サイドバックですね。大会前はおそらくジブリル・シディベ、バンジャマン・メンディで考えていたと思うんですけど、彼らのコンディションを含めて、ベンジャマン・パバールとリュカ・エルナンデスを思い切って起用して、そこがうまくはまった。

 彼らのよさというところでいうと、オーバーラップしていく攻撃的な選手ではなく、守備面で献身的に守れるので、穴を空けないというよさが守備的なチーム作りにおいて、今大会の戦い方にうまくはまった印象を受けました。

倉敷 データマンの小林君にも聞きますが、右のサイドバックのパバールはいい選手ですね。

小林 ビックリしましたね。去年の今頃の市場価値と比べると、現在は20~30倍ぐらいまで上がっています。

倉敷 彼のキャリアを少し教えてもらえますか?

小林 シュトゥットガルトに所属していて、昨年の途中にデシャン監督がフランス代表に呼んだ時、呼んだこと自体が驚きみたいな感じの選手でした。

中山 他にいなかったという事情もありましたね。彼は右サイドバックが本職ではなく、どちらかと言うと3バックの右ストッパーのポジション、あるいは4バックの場合でもセンターバックです。シュトゥットガルトでもそこでプレーしていたのですが、右サイドバックでもプレーできるということで、デシャンが緊急的に招集しました。

 ただ、さきほど小澤さんが言っていたように、攻撃参加という部分はシディベと比べてありませんし、ボールを自分が持った時には常に安全な場所に横パスかバックパスをするというタイプの選手です。だから、前方に攻撃的なパスができないということで、大会前からチームの不安材料だったんですけど、アルゼンチン戦(ラウンド16)のあのスーパーゴールによって、おそらくメンタル面で1枚も2枚もレベルアップし、いわゆる覚醒することができました。積極的に攻撃参加できるようになったのも、そこからでしたね。

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