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強い後悔に駆られた夜に武藤嘉紀は決意。
「間違いは、もう犯さない」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

「先発じゃなかったら、本当に......。でも、辛抱強く、腐らずに。やれる自信もあるし、現にやれているので。最初から試合に出られるところに来るつもりじゃなかったので。こういうポジションだったり、難しい経験を得にきたので。簡単に出られるチームじゃないからこそ、やっぱり成長できる部分がある。まずは結果を出し、ポジションを確保していきたいと思います」

 ゴールへの意欲も高まっている。プレミアリーグ第2節のカーディフ戦では、試合終了間際に自らのクロスボールで相手のハンドを誘発し、PKを獲得した。キッカーに名乗り出ていいように思えたが、チーム内で決まっているキッカーのMFケネディがPKを行ない失敗。ニューカッスルは勝ち点3を逃した。試合後、武藤はひどく後悔したという。

「自分でもあの後、『俺はアホだ』と。PKに行かなかったことに、イライラして寝られなかったです。あそこで、もう強引にでも。ファンやチームメイトにどう思われようと、あそこで行かないといけなかった。あの間違いはもう犯さないようにしたい」

 武藤の悔しさは、FWとしての強い自信の表れ。そして、得点をひとつ決めることで序列や立場が大きく変わってくることを、身をもって知っているからだろう。たしかに、2015年に加入したドイツのマインツでは、リーグ戦の3試合目で初ゴールを決めた。以降、自身の立ち位置をしっかりと固めた。

 だからこそ、あのPKは自分で蹴るべきだった──。得点できるチャンスは絶対に逃してはならないと、後悔に駆られた夜に、そんな強い決意を胸に刻んだようだった。

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