前回王者ドイツ敗退の深層。
傲慢だったレーヴ監督の「理想主義」 (4ページ目)
フィリップ・ラームやバスティアン・シュバインシュタイガーの引退後、ドイツ代表はリーダー不在が叫ばれていた。レーヴ監督はそのような批判に対し、「選手たちはそれぞれ自己主張ができる」と反論していたが、結果的に今回のメンバーの中に、自らの言動でチームの雰囲気を変えられる選手はいなかった。
近年は美しいパスサッカーが代名詞になったドイツ代表だが、4年前のブラジルW杯での戦いは現実主義に徹したものだった。グループリーグでは4枚のCBを最終ラインに並べ、スタイルにこだわらず勝負に徹することで頂点に立った。
ロシアで連覇を狙ったレーヴ監督は、自らの理想とするスタイルでそれを成し遂げようとした。誰もがドイツをその王座から引きずり降ろそうと研究し、対策を練ってくるなかで、自らのスタイルにこだわるドイツの戦いは、あまりにも愚直で、傲慢とさえいえるものだった。
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