2018.06.28

用意周到なイングランド。
日本が対戦するならセットプレーに要注意

  • 田嶋コウスケ●文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 W杯ロシア大会グループGで2連勝し、決勝トーナメント進出を決めたイングランド代表。4年前のW杯ブラジル大会では1勝も挙げられずにグループステージ最下位で敗退しただけに、今大会は上々のスタートを切った。とくに今大会は、強豪国がグループステージで軒並み苦戦。その意味でも、早々と突破を決めた意義は大きい。

セットプレーから4ゴールを決めているハリー・ケイン ただし、ここには注釈がつく。初戦のチュニジア、2戦目のパナマとも、個人能力でいえばイングランドとの力の差は歴然としていた。

 とくに6−1の歴史的大勝に沸くことになったパナマ戦は力の差がありすぎて、イングランドの力を測る物差しにならなかった。縦パスやクロスボールを入れれば、空中戦と球際でことごとく勝利し、ほぼ決まってシュートチャンスにつながったからだ。

 むしろ、気になったのは初戦のチュニジア戦の出来である。前半こそ前方から圧力をかけて押し込んだが、チュニジアが4バックから5バックに切り替えた後半は、途端に攻撃が手詰まりになった。分厚い守備ブロックを前に、イングランドは味方の足もとにパスをつなぐばかり。3人以上の選手が連動して絡む攻撃は見られなかった。

 ここに、イングランドが抱える継続課題がある。

 イングランドの基本フォーメーションは3バックシステムの3−5−2。2トップにラヒーム・スターリングと得点源のハリー・ケインを入れ、左右両サイドにウィングバックを置く。

 攻撃の起点になるのは、このウィングバックだ。ウィングバックからスピードスターのスターリングに縦パスを入れたり、サイドを崩してアーリークロスを入れる。そして、昨季のプレミアリーグで年間30ゴールを叩き出したケインにラストパスを送るのが、基本的な攻撃パターンになる。

 しかし、相手が守備を固めてくると、途端に手詰まりになる。こうした一本調子な攻めはイングランドの課題であり、流動的なアタックで相手ゴールを崩し切ることは少ない。むしろ、前線の「個の力」に依存する傾向が強く、現代表もこの問題を解決できていないのだ。