2018.06.24

ハリル的サッカーのベルギー。
もし日本と決勝トーナメントで戦うと?

  • 杉山茂樹●文text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 開始6分、ベルギーはいきなりPKをゲットした。しかし、ペナルティエリア右サイドから進入しようとしたエデン・アザールが、チュニジアのディフェンダー、シアム・ベンユセフに倒された場所は、微妙ではあるがラインの外側だった。開始間もないという時間帯を考えれば、FKとして処理されるのが一般的だろう。

 ところがアメリカ人のジャイル・マルーフォ主審は強気にもPKスポットを指さした。前日のブラジル対コスタリカ戦では、VAR判定でPKは取り消されることになったが、この日はそうならなかった。

 強者と目されている側にあっさりPKが与えられると、試合への興味は失われる。第三者にとって、この判定は歓迎できなかった。ベルギーはアザール自ら難なく蹴り込み、先制点をゲットした。

チュニジア戦で2得点を挙げたエデン・アザール チュニジアはこのPKのシーンの前にも、ディフェンス陣がバタつくシーンがあった。落ち着きのない立ち上がりをしていたのだ。それはアザールとロメル・ルカクを意識していたからに違いない。

 ベルギーの布陣は3-4-3。左からアザール、ルカク、そしてドリス・メルテンスが並ぶが、3人の関係は若干いびつだ。アザールは左サイドというよりも、ルカクと近い位置で、2トップに近い関係で構えることが多い。開いてウイング然と構えるメルテンスとは対照的だ。

 アザールとルカク。2トップに見える2人で攻め込んでいける力がベルギーにはある。チュニジアは、能力の高い2人の2トップ的な動きに戸惑い、警戒し、平常心を失ったという印象だ。