ハリル的サッカーのベルギー。もし日本と決勝トーナメントで戦うと? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 前半16分には、メルテンスの右からのボールをルカクが合わせて2点目をゲット。ベルギーはこの上ない楽勝ムードに包まれた。

 ところが、すぐに失点を許してしまう。18分、ワフビ・ハズリのFKをディラン・ブロンが頭で合わせて1点差とする。試合はここから大いに盛り上がった。ベルギーに追加点が決まったのは前半終了間際の45分だったので、1点差(2-1)の時間は27分間も続いた。

 チュニジアで光ったのは右からの攻め。つまりベルギーは左サイドで後手を踏んだ。3-4-3の左サイドは、アザールが真ん中付近で構えるため、ヤニク・カラスコが1人になることが多かった。メルテンスとトーマス・ムニエが2人がかりで構える右サイドとは対照的だった。

 31分には、交代で入った右サイドバック、ハムディ・ナゲスのセンタリングから、エリス・スキリが惜しいシュートを放つなど、一触即発のムードに包まれていた。

 ベルギーの苦しい状況を救ったのは、右サイドでメルテンスとコンビを組むムニエだった。前半終了間際、ゴール前に進出すると、ルカクにスルーパスを送り、ダメ押しとなる3点目のゴールをアシストしたのだ。

 試合は前半終了の笛とともに、事実上、終わったも同然になった。後半、時間の経過とともに、チュニジアは攻守に雑なプレーが目立つようになった。

 ベルギーは59分にルカク、68分にアザールを下げると、布陣を3-4-3から5-3-2同然の3-5-2に変化させた。

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