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暴かれたネイマールの「演技」。
VARがブラジル戦を真っ当な試合に (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 かつてなら、このままPKは行なわれていた。だが、今大会からはVAR判定が採用され、二重のチェックが用意されている。そしてカイペルス主審の判定は、その数十秒、呆気なく覆(くつがえ)った。ネイマールのプレーはシミュレーションと見なされ、イエローカードまでかざされた。

 一転してネイマールは、自らの評価を下げることになった。超一流の定義をどのように設定するのかは難しい問題だが、クリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシをバロンドール級とすれば、その域には届いていない。将来的にも達しそうもない。ルイス・スアレスのような、ある特別な才覚に恵まれた選手というわけでもない。

 総合力に長けたアタッカーではあるが、その総合力でC・ロナウド、メッシの能力を9.5~10とすれば、ネイマールは9に届くかどうかだ。サッカー王国ブラジルの看板選手として、この評価は微妙である。

 そしてこのネイマール評は、ブラジル代表そのものにも共通する。スーパーではないという点で一致する。圧倒的な力はない。例えば、センターフォワードのジェズス。ブラジル国内では評価が高いようで、チーム最年少の20歳ながらスタメンの座を射止めている。所属のマンチェスター・シティでも、スタメンを張っている。

 しかし、将来、世界を代表するストライカーに成長するどうかは、微妙だ。キレ、センスはあるが、スケールが小さい。過大評価されているような気がしてならない。だったら、ブラジル代表でわずか2試合に出場した後、国籍をスペインに変更し、今回スペイン代表として出場している、ジエゴ・コスタのほうがCFとしての総合力は断然、上だ。

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