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乾貴士、エイバル退団を明言。
移籍先を明らかにしないのは理由がある

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「ぶっちゃけますけど、エイバルではこれがラストの3試合になる」

 ここまで自身の去就について明言をしなかった乾貴士だが、メスタージャで行なわれたリーガエスパニョーラ第35節、バレンシア対エイバル戦後のミックスゾーンで、エイバルとの契約は今季限りで切れることをはっきりと語った。

バレンシア戦に先発、後半39分までプレーした乾貴士(エイバル)バレンシア戦に先発、後半39分までプレーした乾貴士(エイバル) 移籍先については明らかにしていない。その理由は、今季限りでバルセロナ退団を決めているアンドレス・イニエスタと同じことだろう。

 メディアはどこへ移籍するのかをさかんに報道しているが、それを本人が明かさないのは、愛するクラブに別れを告げ、新たな冒険に旅立つことを決めた選手にできる、クラブに対する最後の愛情の表し方なのだろう。シーズンが終わるまではエイバルの選手として100%集中する。頭の中にはひとつのチームのことだけを入れておきたい。きっとそんな気持ちのはずだ。

「エイバルの一員として3試合できる。もちろん終わりが迫ってくるというのは悲しいですけど、残り3試合をしっかりとやり切って、少しでもいい結果を残したい」

 乾の去就については日本でもスペインでも様々な報道がされている。有力な移籍先とされるベティスでは給料が倍額になるといったような報道もあった。

 だが、愛するエイバルを離れる最大の要因は、乾貴士がtakashi inui になっても、昔からその根本にあった、誰よりもボールをうまく扱いたいというサッカー小僧の気持ちにあるに違いない。選手としてうまくなりたい、成長したい、ただその純粋な思いが環境を変えることを決断させた大きな理由だと思う。

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