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バルセロナのオーラが消えちゃった。
ローマに「実力負け」でCL敗退 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 3バックといえば、ともすると守備的に聞こえる。だが、3-0で勝たなければならないチームを率いる攻撃的な監督が、ここでそんな3バックを用いるはずがない。3バックでありながら3トップ。Jリーグでよく見かける2シャドー型3トップとはコンセプトが異なる、両ウイングを置いたベニテスのリバプール型だ。

 その3-4-3を、バルサの中盤フラット型4-4-2にぶつける作戦が奏功した。今回のローマの逆転劇を語るとき、これは外せない要因になる。

 ローマには3本の矢があった。右からパトリック・シック、エディン・ジェコ、ラジャ・ナインゴランが並ぶ3人のFWが、バルサの4バックにプレッシャーをかけた。とりわけその両サイドバック(ネルソン・セメド=右、ジョルディ・アルバ=左)は、これにより攻撃参加できにくい状況になった。

 ローマはその両ウイングの下に、さらにサイドアタッカー(アレッサンドロ・フロレンツィ=右、アレクサンドル・コラロフ=左)を置いた。

 一方、バルサの4-4-2は、左サイドハーフのアンドレス・イニエスタが、サイドにいる時間より、ゲームメーカー然と内で構える時間が長い。そのためその左サイド(ローマの右サイド)は、ローマが2対1で数的優位な状況を作り出していた。ジョルディ・アルバの裏は、まさに狙い目になっていた。

 前半6分、ローマのCFジェコがジョルディ・アルバの裏に狙いをつけ、ランニングを開始すると、中盤の深い位置からダニエレ・デ・ロッシがすかさずミドルパスを供給する。それがそのままラストパスになり、ジェコの先制弾が生まれた。

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