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バルセロナのオーラが消えちゃった。
ローマに「実力負け」でCL敗退 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 3トップが本来バルサのお家芸であることは先述の通り。3FWプラス3バックも同様だ。アヤックスに端を発する、バルサがクライフ時代から採用してきた3バックだ。

 そうしたバルサの伝統的な"持ち物"を、この大一番にディ・フランチェスコは採用した。逆に、バルベルデはバルサ色に乏しいサッカーで臨み、後手を踏んだ。

 かつてのバルサは、攻撃的なサッカーを展開する同型のチームに対して、無類の強さを発揮した。攻撃的サッカー度で劣ることはなかった。むしろ守備的なチームに、カウンターを食うのがやられるパターンだった。

 だがバルベルデの2トップサッカーは、カウンター型のサッカーに対しては強くなったかもしれないが、向かってくるチームには脆さを見せる。

 バルサが敗れる展開は、これまではたいてい"追って届かず"だった。一方的に支配するもののゴールを奪えず涙するパターンだったが、この日のローマ戦は、相手に常に効果的な攻撃を許していた。泡を食いっぱなしだった。

 後半、ローマに2点を奪われて0-3、通算スコア4-4で鮮やかな逆転を許したバルサ。かつてはあり得なかった惨めな負け方だ。フロック負けではなく、実力負け。バルサのサッカーはすっかり魅力的ではなくなった。特別なチームでもなくなった。攻撃的サッカーの看板は、はげた状態にある。

 スペインリーグでは現在4位ながら、CLでは優勝を狙う位置にいるレアル・マドリードに、ライバルのバルセロナは大差をつけられた格好だ。バルサがスペインリーグを制しても、レアル・マドリードがCL3連覇を達成すれば、国内リーグ優勝の意味は無に等しくなる。

 バルサはうまくいっていない。重症だと僕は思う。

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