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レアルが「バルサ風味のサッカー」で
PSGを撃破。CL3連覇に近づく (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 第1戦の試合の肝はここにあった。スコアは、サイド攻撃重視の作戦に切り替えたその交代を機に、1-1から3-1となった。それまでの40対60の関係は67対33へと一気に傾いた。

 レアル・マドリードはここ数年「BBC」と命名された3FW(カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイル、C・ロナウド)を看板に戦ってきた。しかし、ベイルはケガが多く、昨季も途中から戦線を離脱した。代わって台頭したのがイスコだった。

 当初の位置づけは3FWの一角。サイドに割り当てられたが、本来は中盤の選手。攻撃的MFである。したがって試合が始まると、居心地のよさを求めてか、真ん中付近に入り込み、C・ロナウド、ベンゼマの下で構える2トップ下のようにプレーする時間が増える。

 小さくて巧い10番、ファンタジスタ系のテクニシャンだ。ファンもメディアも、そんなイスコのプレーを絶賛した。布陣も、彼をフィーチャーする4-3-1-2に変化した。

 だが一方で、サッカーはそれ以来、真ん中に固まり始めた。イスコとモドリッチのキャラが重なる弊害も露呈した。ボールを失う場所は3FW時代より真ん中に偏り、逆襲を食いやすいパターンに陥った。

 カーディフで行なわれた昨季のCL決勝、対ユベントス戦も同様だった。途中まで試合は、実力差の割にはいい勝負になっていた。レアル・マドリードが実力通りの力を発揮したのは、イスコに代わりマルコ・アセンシオが投入されてからだった。そのマルコ・アセンシオが4点目となるダメ押しゴールを奪う姿を見ながら、3連覇がかかる来季のレアル・マドリードを思ったものだ。

 サイド攻撃を重視した3FW系、もしくは中盤フラット型4-4-2系のサッカーでいくのか。あるいは2トップ下(イスコ)をフィーチャーした、それとは真反対の性格の布陣でいくのか。

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