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香川に挨拶できなかった酒井高徳。
新監督の「主将はゴウ」でスッキリ (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 それは自分がキャプテンだったからとか、そうじゃなかったからとかではなくて、チームの中ではっきりしないことが浮かんでいると、誰に頼ったらいいのか、どうチームを組み立てたらいいのか、選手自身もわからなくなってくる。今、話したいことあるけど、『誰がキャプテンなの?』って。

 結局、毎試合毎試合、マギー(メルギム・マフライ)がやったり、パパ(キリアコス・パパドプーロス)がやったり。なんにも話がなくてその状態が続いたので、違う選手を信頼しているのかなという感覚で、自分はいました」
 
 その状況も監督交代によって一変した。

「サッカーのこともそうですけど、『いい選手なんだから自信を持ってやれ』と言われている。日頃の振る舞いだったり、練習への取り組みの姿勢だったりというのは前から知っているし、評価していると言われて。チームの前で『キャプテンはゴウでいく』、僕を含めた『チームの幹部(選手)の奴らを中心にチームを作っていきたい』というのを、ハッキリ公言してくれた。チームで今、誰がどういう立場なのかというのはわかっていると思うので、やりやすくなったし、その辺の信頼というのを置いてくれているのかなと思います」

 もうひとつ、酒井がスッキリして見えた理由は、実際にスッキリしたからだ。体重を3~4キロは絞ったという。明らかにシャープさが増したのは、W杯も見据えたフィジカルコントロールということもあるのだろう。

 指揮官からの信頼が確かになったぶん、試合で結果を出さなければならない立場であることも明らかになった。チームを1部残留に導くこと、それこそがあらためて主将に指名された酒井の使命となる。

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