2018.02.12

フロンターレの今季初陣は消化不良に。
気になるのは中村憲剛の状態

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 継続、融合、リベンジ――。

 川崎フロンターレはセレッソ大阪と対戦したFUJI XEROX SUPER CUPに、3つのテーマを抱えて臨んでいたはずだ。

前半だけでピッチを退くことになった中村憲剛 ひとつ目のテーマである「継続」は、言うまでもなく、昨季リーグ戦を制したサッカーを今シーズンに持ち込めるかどうか。昨季の優勝メンバーがほとんどチームにとどまり、監督も代わっていない以上、この主題は決して難しくないミッションだと考えられた。

 この日の川崎Fのスタメンに新戦力の顔ぶれはなかった。2年ぶりに復帰したFW大久保嘉人がベンチに座った一方、昨季のレギュラークラスで不在だったのは、ケガを抱えるDFエウシーニョとコンディションを考慮されベンチスタートとなったMF大島僚太のみ。代わって出場したDF田坂祐介、MF森谷賢太郎も昨季からの主力であることを考えれば、川崎Fのスタイルが崩れることはないはずだった。

 しかし、立ち上がりからC大阪に押し込まれる時間が続く。持ち前のパスワークは沈黙し、逆に相手の素早いパス回しに守備陣が後手を踏む展開に。そして26分、左サイドを崩されてMF山口蛍に豪快な一撃を叩き込まれてしまった。

 リーグ最多の71ゴールを奪い、初優勝を成し遂げた昨季の川崎Fだが、悲願成就の要因はその攻撃力よりも、安定した守備組織を手にしたことのほうが大きい。鬼木達監督が求めたハードワークの徹底こそが、リーグ3位の32失点という成果を生み出していた。

 しかし、この日はC大阪攻撃陣の”巧さ”に手を焼き、なかなかボールを奪えない。奪ってもすぐさま奪い返されて、ピンチを招く場面も少なくなかった。

「まずは全員の戻る意識というか、粘り強さのところ。そこはキャンプから多少気にはなっていましたが、やはり質の高いチームとやるとそういうところがはっきり出てしまった」

 鬼木監督が指摘したように、川崎Fの守備には単純に力強さが欠けていた。