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フロンターレの今季初陣は消化不良に。
気になるのは中村憲剛の状態 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 センターバックのDF谷口彰悟も同様の課題を口にする。

「球際が緩かったと思いますし、誰が行くのかはっきりしないので、(相手の)ボールホルダーがフリーになっていた。そうなると、後ろは下がらないといけなくなる。そうした悪循環があったと思います」

 昨季のストロングポイントを打ち出せなければ、苦戦するのも当然だ。修正できないまま後半立ち上がりにMF清武弘嗣に2点目を奪われると、直後にFW小林悠のPKで1点を返したものの、78分には簡単にスルーパスを通されて3失点目を喫す。

 もちろんシーズン最初の試合であり、完璧を求めるのは無理な話ではある。指揮官も「そこは意識のところでずいぶん変わると思う」と、深刻に捉えてはいなかったものの、昨季のパフォーマンスと比較すれば、あまりにも心もとない川崎Fの守備対応だった。

 ふたつ目のテーマである「融合」は、こちらは合格点を与えられるかもしれない。2年ぶりに帰還した大久保の存在は、川崎Fにポジティブな要素を持ち込んでくれそうだ。

 後半からピッチに立った大久保は、小林と2トップを組んだものの、やや下がり目に位置して組み立ての役割を担った。フィニッシャー役を務めた前回在籍時とは異なり、周囲を生かそうという意図が見てとれたのは、大久保が自らの立場を理解しているからだろう。

 個性を貫くのではなく、優勝を成し遂げた昨季のサッカーにいかに溶け込んでいくのか――。主役ではなく、脇役としての立場を今季はまっとうしていくはずだ。

 終了間際には復帰後初ゴールを奪うなど、さすがの存在感を示した大久保は「みんな距離感がいいですし、やりやすい」と手応えを口にする。昨季得点王の小林も「後半は嘉人さんと2トップになったので。だいぶ攻撃のイメージも湧いてきましたし、やりやすくなった」と、頼れる男の復帰を歓迎している。

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