街のアイドル・乾貴士。歴史的2ゴールでエイバル市民を幸せにする

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 リーガエスパニョーラ第17節・エイバル対ジローナは、4対1でエイバルが勝利を収めた。そしてこの一戦は乾貴士とエイバルにとって、記録づくめの試合となった。

年内最後のジローナ戦にフル出場、2ゴールを決めた乾貴士年内最後のジローナ戦にフル出場、2ゴールを決めた乾貴士

 今季、レアル・マドリードに勝利し、アトレティコ・マドリードと引き分けるなどジャイアントキリングを連発、リーガに新風を吹き込んでいるジローナだったが、乾が輝きを見せたエイバルの前では無力な存在だった。

 開始41秒、いきなり乾が魅せた。スローインからのプレーで、シャルレスがスルーしたボールはエリア内の乾へとつながる。乾がドリブルでボールを中央へと運び、右足を振り抜くと、飛び込んできたDFの足の下を通りネットが揺れた。

 前節のバレンシア戦に続く乾のゴールは、LFP(スペインプロリーグ機構)によれば今シーズンのリーガ最速弾だという。だが、何よりも本拠地イプルアでゴールを決められたことが乾には嬉しかった。2016年1月18日のグラナダ戦以来、約2年ぶりのホームでのゴールだったのだ。

 乾は厚い信頼関係を築いているダニ・ガルシアと、ピッチでお辞儀パフォーマンスを披露。ベンチではセルジ・エンリッチを中心に喜びの輪が生まれていた。そしてスタンドを埋めたファンは、おらが街のアイドルの名前を大声で連呼した。

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