「内容はどうでもいいから勝つ」本田圭佑のメンタリティが浦和にほしかった (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images


 ところが、クラブW杯は各大陸王者を一堂に集めた短期集中。基本的に中2日で試合が行なわれる、とりわけ非日常性が強い大会である。

 もちろん、この大会に何を求めるかは出場クラブの価値観次第だ。自分たちのスタイルを世界に発信する好機と、内容を求めるのもひとつだろう。だが、本田はそんな特殊な大会だからこそ、内容は度外視せざるを得ない部分があっても仕方がないと判断し、ひとつでも多く勝ち上がって、強豪クラブと対戦する機会を求めたのだろう。本田は語る。

「(準決勝でパチューカが)グレミオに勝ったら世界中のサッカーファンが、『決勝はおもんないな』と思うだろうが、僕らはそれを狙いにいく」

 今大会に臨む本田のメンタリティは、まさにアルジャジーラに敗れた浦和に欠けていたものではないだろうか。

 どんな内容であれ、絶対にこの試合に勝ってレアル・マドリードと対戦する。その覚悟が浦和の戦いぶりからは感じられなかった。浦和はいつもどおりに戦ったと言えるのかもしれないが、言い換えれば、この大会の価値が理解できていなかったとも言える。普通に戦い、普通に負けた。しかもよりによって、予想しうるなかで最も確率の高い負け方で。

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