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美しく攻め、失点やむなし。
リーガを彩る「クライフ主義者」たちの戦術

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

「クライフ・チルドレン」──。

 スペインには、そうした指導者たちの派閥がある。

「自分たちがボールを持ったら、相手は攻撃できない」

「ボールは汗をかかない。だから人が走るのではなく、ボールを走らせるのだ」

「もし3点取られたら、4、5点取ればいい。無様に勝とうと思うな。たとえ負けても、敗者の美学がある」

 かつて、オランダの名将ヨハン・クライフ(1947年~2016年)はエキセントリックな発言とともに、ヨーロッパフットボールに革命をもたらした。とりわけ、バルサの監督時代(1988年~96年)は「ドリームチーム」と呼ばれる華やかな戦いで欧州を制覇し、世界中にセンセーションを巻き起こしている。今もクライフは、"フットボールの創造主"のように崇められる。

"弟子"であるクライフ主義者たちは指導者として、その意志を継いでいる。浪漫を追い求めるようなフットボールスタイルと言うべきか。マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラはその代表格だろう。オスカル・ガルシア(サンテティエンヌ)、パコ・へメス(クルス・アスール)、ファンマ・リージョ(アトレティコ・ナシオナル)などの指導者もその一派といえる。

 そして今シーズンは、リーガ・エスパニョーラで3人のクライフ・チルドレンが注目を浴びている。

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