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美しく攻め、失点やむなし。
リーガを彩る「クライフ主義者」たちの戦術 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 まず、バルサの監督に新たに就任したエルネスト・バルベルデは、その筆頭だろう。クライフの率いたバルサ1年目に、選手としてプレー。その哲学の影響を深く受けており、アスレティック・ビルバオでは実践に成功した。その経験が、バルサを指揮する上で大きなメリットになっている。

 レアル・ソシエダで采配を振るうエウセビオ・サクリスタンも、実にクライフ色の強い戦いを見せる。エウセビオはドリームチーム全盛のときのMFで、バルサBの監督をしていた経験もある。レアル・ソシエダでも、相手よりも多くの得点を奪う、というスタイルを貫いているが、リスクを負って攻めるだけに、その危うさには賛否が分かれている。

 そしてもうひとり、ベティスのキケ・セティエンは麾下(きか)での選手経験こそないものの、熱心なクライフ信奉者として知られる。とにかくピッチをワイドに使い、ホアキン・サンチェス、クリスティアン・テージョのようなウインガーを重視。高いライン設定で、失点の危険性に目をつむって、得点の可能性を高める。

クライフ・チルドレンのセティエンが率いるベティスのウインガー、ホアキン(写真・右)クライフ・チルドレンのセティエンが率いるベティスのウインガー、ホアキン(写真・右) 彼らクライフ・チルドレンが率いる3チームには近似性がある。類似点は数字にも如実に表れる。

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